知人に勧められた、今話題の佐伯チズさんの御本を読んで、
ほ~、へぇ~、と感心することしきりだったのですが、ただ1点だけ、
「んん?」
と疑問に感じた点がありました。
スキンケアで絶大な支持を得ているこの方の、
メイクアップについての推奨は、
「普段は極々自然なナチュラルメイクに徹して、
特別な時だけ華やかな気合いの入れたメイクをしなさい」
ということ。
もちろんご説ごもっとも。TPOだってあるし、実際その通り。
・・・だけど、いきなり、その特別な日に、
今までしたことのない、慣れてない華やかメイクって出来るのかな?
いきなりだと、失敗しちゃわない?
うまくいかなかったり、思い通りにならなかったりしないかな?
私自身がそう、というのもありますが、
(THE・BU・KI・YO・U!)、
けっこういざ!というときに限って失敗します(笑)。
だって、普段し慣れてないから。
「あれ、こんなはずじゃなかったんだけど・・・(汗)」
みたいな(あー、ありがちありがち)。
・・・なんて、思ってたら。
先日、とある実業家の女性(ゴージャス美人さん)から、
「就業後には、仕事中とはガラリと違う、
女っぽい華やかなメイクにして帰宅する」
というお話を聞きました。
メイクだけじゃなくって、腕時計にブレスレットを重ねたり、
濃厚なフレグランスをまとったりも。
バリバリ働き、成功している女性が、そんな風に女性らしさを
大事にしているのって、
おしゃれで素敵だなーなんて思ってたら、飄々としたお顔で、
「(いざというとき)慣れてなきゃ、失敗するでしょ?
だから、いつもからやっておくんですよ!」
超・合理的な理由(笑)。
何より、彼女はそのことをとても楽しんでいる。
今日はどんな風にしようか?と毎日考えるのも楽しいし、
ポーチに入れるメイクアイテムを選ぶのもわくわくして、
いざという晴れの場のメイクテクニックも磨けるしで、一石二鳥。
毎日、たった5分間と帰宅時間の密かな楽しみ。
これって、メイク・ファッションに関わらず、
仕事もしかり、こうして文章を書くことにだって通じるよなぁ、と。
いくら頭の中で出来るって思ってたって、
いざその場で力を発揮できなきゃ意味がない。
ちょっとした工夫で、いつもやっていた方が、当然成功率は高いし、
実力も磨かれる。
毎日、たった5分でも。しかも、それを楽しんで。
そんな、考えてみれば当たり前のことを
あらためて思わされたのは、そのセンス、あふれる美意識を尊敬する女性から
紹介されたこんな本がきっかけでした。
私の枠にはまりきった発想や想像をはるかに越えた色やパターンがつまった、
(なのに自然!なのに新鮮!)
破天荒ともいえる魅惑的な本。
この本は、見開きで左側にノーメイクのモデルの顔が、
右側にメイクアップ後の顔があり、
(いわゆる、ビフォア&アフターですね)
そのメイクアップ後の顔の上に透明なフィルムページがかけてあり、
顔のどこの場所に何の色を入れたのかがマッピングがしてあります。
文字で書くと、まるで技術書のような味気ないもののようだけど、
次々に現れる無垢の顔に施される、シンプルかつ劇的な変化。
無限とも思える発想、創造性、可能性を超えるアイディアは、
濃密な短編小説がぎっしりつまった本を一気に読みふけるような、
熱気とポテンシャルがみなぎっています。
ここにつめこまれたナチュラルさも華やかさもエキゾチックさも、
その豊かな発想から生み出されたメイクの技は、
見本があるからって、ある日いきなり「やろう!」と思って
出来るものじゃない(笑)。
自分自身を知り、経験と発想とが絡み合っての、美の発現。
いつも、「なんとなく」な無難なメイクに徹していたら、決してこんな美は生まれない。
とはいえ、この本を読んでの一番の衝撃は、
フランソワ・ナーズが男性だった
ってことでしょうか。
(反対に、ボビィ・ブラウンはずっと男性だと思ってました・・・)
ちなみに、NARSのカウンターよりAmazonの方が安く購入できますが、
機会があるならカウンターでの購入がオススメ。
というのも、本では色をすべて名前で書かれているのに、
NARS Japanは何故か色を番号で表現しているため、
いざ気になる色があったときに、どの色がどれなのかを探すことが
非常に困難(爆)。
(何でだろう~?洋名、とっても素敵なのに)
カウンターだと、色番と色名の対応表をつけてくれるので、
やや割高でもカウンターで買われた方が後々役立つのではないかと。
この本を購入したとき、カウンターで対応して下さった
メイクアップアーティストさんが、
「メイクに行き詰まることってあるじゃないですか?しょっちゅう。
私も、そうするとよくこれをめくるんですよ。
すごく、アイディアや発想がわいてくるでしょう?」
とおっしゃっていたのが、とても印象的。
日々、鍛錬しているプロですら、行き詰まる。
けれど、それを突破していく術をつかんでいる。
この本を紹介してくださった方が、
メイク学校の生徒さんもこの本をよく買っていくのだとおっしゃって
いましたが、納得です。
そして、プロやプロのタマゴでなくても、
アーティスティックな読み物としても、一読の価値ありの一書。
人間の顔、その表現力に、息を呑む瞬間が、あります。

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