最近出版される着物の本が面白いな~、と
感じるのは、
単なる(何が根拠か定かでない)仕来りやお仕着せ一辺倒の
内容から、
ちゃんと息遣いを感じる、血の通った本と出会えるように
なったからじゃないかと。
ルールもね、その成り立ちや謂われがあると面白いな
と思うんだけど、
何でそうなのか
誰のためなのか、
どんな効果があるのかとか、
そういうのが一切ないまま
「そういう決まりです」
と見せられると、
それはまるで解説の一切ない博物館の中の
ガラスケースの展示品。
なので、この本はとても面白かった!
すっぴん芸妓―京都・祇園のうっかり日記 (単行本)
山口 公女
和の仕来りやルールが未だ意味がある世界。
それが価値を持つ世界。
着物が、日本髪が日常着の世界。
舞妓⇒芸妓
として生きてきた著者の生の経験、生の声。
お高く止まらず、気取らず、気負わず、
普段着の声で書かれた本なので、
ぐいぐい読んでしまいました。
普段、それこそガラスケースの向こうのような、
白粉と着物に包まれた硬質な人形のような姿が、
笑顔や涙や、舞いの息遣い、袖の衣擦れの音さえ
聞こえてきそうな空気。
あー、芸姑さんの姿を生で見てみたい!
こんな格好してみたい!
京都に行きたい~!
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